オトナの社会科見学〜BB-WAVE 見学ツアーズ

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RSS ダムの放流を正面・間近で見ませんか? オトナの『宮ヶ瀬ダム』見学

<<   作成日時 : 2010/08/25 15:00   >>

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ある日のこと、ダムを検索をしていると、“ダムマニア”という検索候補ワードを見かけました。
ダム好きの人たちが運営するファンサイトなどがけっこうあり、中には日本中のダム巡りをしている人もいるようです。Googleの検索候補にもなるほどですから、ダム好きな方が多いということなのでしょう。

ダムといえば、巨大な建造物。それだけに、その運用管理が大変だということは想像に難くないのですが、そうした舞台裏を見る機会もなかなかないような・・・。

ちょうど前回の見学ツアーで訪れた『地下神殿(首都圏外郭放水路)』では、河川の中・下流域における治水を担う“巨大放水路”を見学したこともあり、今回は、河川の上流域における治水を担う“ダム”を見学してはどうだろう?

そんなわけで、今回のオトナの社会科見学は、神奈川県相模原市にある『宮ヶ瀬ダム』です!

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※写真提供:相模川水系広域ダム管理事務所


上空から見た宮ヶ瀬ダム、大きいですね! 首都圏最大規模の貯水量を誇り、重力式コンクリートダムとしては国内最大級です。


さて、今回の見学では、ダム湖(宮ヶ瀬湖)側ではなく、ダムからの“観光放流”と“内部”を見学します。
まずは、ダムの上から放流側を見下ろしてみましょう。
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高い! でも気持ちいい! 高さはおよそ150mあるそうです!
あの真ん中の橋あたりなら“観光放流”を真正面から見学できますね。
ところで、どうやって下まで行くんでしょうか?

「ダムの上から下へ降りるときには、このインクラインと呼ばれるケーブルカーを使うと便利です。スキーのジャンプ台とほぼ同じ傾斜で、最大傾斜角は35度もあるんですよ」とは相模川水系広域ダム管理事務所の橋岩夫さん。
なるほど! ではさっそく乗りましょう!

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それにしてもすごい傾斜です・・・。偶然同乗した子供たちは興奮して大騒ぎ!

実際にインクラインに乗ってみると、車内には椅子と手すりもあり、ゆっくり動きますので、高いところが苦手な方でも大丈夫ですよ。およそ4分かけてダムの下に運んでくれます。

また、インクライン以外にも、下流にある県立あいかわ公園からロードトレイン「愛ちゃん号」でダムまで訪れることも可能です。


さて、そろそろ観光放流が始まるようです。
宮ヶ瀬ダムは、放流地点のちょうど目の前に橋があるので、ほぼ真正面・間近なところから迫力ある放流を見学することが可能。その時間およそ6分!

さあ始まります!

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あ、水が流れてきました・・・。

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水量が増えてきましたね・・・。

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す、すごい!
水流によって風が起こると共に水しぶきが舞い上がり、一瞬にして辺りを清涼な空気で包みこみます。水滴がレンズについて白く飛んでしまった写真になってしまいましたが、一時シャッターをきるのを忘れるほど、真夏の日中に気持ちのいい瞬間でした。

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観光放流はたった6分間だけですので、放流しているうちに写真を撮ったり、場所を変えていろんな角度から眺めたりと、見学に訪れていた方々は時間を有効に使っていました。


さて、ここからは、ダムの運営管理の舞台裏を見ていきましょう。
折しも2010年7月、宮ヶ瀬ダムでは“森と湖に親しむ旬間イベント”として、『内部見学会』を実施しました。この時に限りダムの内部に入ることができるのですが、そもそもダムの内部ってどういう構造なの?

「ダムには、常時とても大きな水の圧力がかかってますので、ダム本体のコンクリートの厚さは相当なものです。上の方は約20mほどですが、下の方になると厚さ約180mほどもあり、堤高は156m。この中に、約2kmに渡る監査廊(かんさろう)が張り巡らされていて、ゲート操作室などを点検できるようになっているのです」とは前出の橋さん。
ダムは末広がりの台形のような形でコンクリートの重さで水圧を支えているのだそう。

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内部見学会では、この監査廊を歩きながら点検ルートを巡ることができるわけですね。ダムの貯水池の水温の影響なのか、18度くらいとかなりひんやりとしています。

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※写真提供:相模川水系広域ダム管理事務所

物資の運搬や移動に使われている点検用モノレールです。宮ヶ瀬ダムは本当に大きいので、こうした設備を駆使して、毎日の点検を行っているんですね。

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写真提供:相模川水系広域ダム管理事務所

これはプラムラインと呼ばれる計器で、水圧や地盤の変形などにより、ダム堤体に生じるひずみを測定し、ダムの安全性をチェックするものです。上の円の真ん中から白いラインが垂れているのが見えるでしょうか? なんとこのライン、ダムの上端から下端まで重錘(コンクリートや鉄板などの重り)を吊るして内部にある2つの測定室(中段測定室と下段測定室)を通し、振れ幅を見ているのです! これによってダム堤体のひずみを計測しています。

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そしてこれは、“ゲート”と呼ばれる高位常用洪水吐設備。水圧に耐えられる頑丈なステンレス鋼の扉を油圧によって上下に動かし、水を流したり止めたりすることができます。はじめに見学したダムの観光放流は、ここでコントロールされていたわけですね。

観光放流では1秒間に30立方メートルの水を流してますが、一般的な25mプールを約13秒でいっぱいにする水量だそうです。この赤いゲートの真下、まさに足元をダムの水が通っているんですね。


ところで、ダムには大きく4つの役割があります。
台風や大雨による上流からの増水を食い止め、下流での洪水を防ぐこと。時折ダムの水を放流し、川の環境を正常に保つこと。水道水を貯め、地域に供給すること。そして、水力発電により、電気をつくること。
いずれも、私たちの暮らしに必要不可欠なことで、全国のあらゆる地域に、宮ヶ瀬ダムと同じように重要な役割を果たしているダムがあるわけです。

そして、こうしたダムの役割を司るコントロール室に、特別に入らせていただきました!

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広いスペースには操作パネルはもちろんのこと、中津川流域を監視できるモニターなどがあり、左手の窓からは宮ヶ瀬ダムと宮ヶ瀬湖が一望できます。ここであらゆる操作が行われているんですね。

ところで、モニターに映る河川の流域の様子を見ていると、宮ヶ瀬ダムが実に広い地域の自然環境と多くの人々の暮らしに密接しているということがよくわかります。
ダムの貯水池の水温や水質による影響を下流域に与えないようにきれいで適切な温度の水を放流する、建設時に損なわれた自然を復元する、ビオトープと呼ばれる動植物の生息空間を整備するなど、人と自然への配慮は現在も行われています。


自然といえば!
宮ヶ瀬ダムでは、ダム湖に流れ込んできた流木などを薪として無料で配布しています。なかには不思議な形をしたものもあり、流木アートなどとして人気なんだとか。
見学に訪れた時は残りわずかでしたが、お金をかけず、自然の材料を利用して暮らす方々がいるんだと思うと、ちょっと気持ちが引き締まりますね。

あ、薪の入手には申請や条件がありますのでご注意を!


取材協力先紹介

宮ヶ瀬ダム

今回ご紹介した『観光放流』は4月から11月まで見学が可能(毎週水曜日、毎月第2日曜日、毎月第2第4金曜日)。内部見学会は、次回の計画はまだ未定ですが、チャンスがあればぜひ訪れてみたいものです。
また、余談ですが、宮ヶ瀬湖畔(水の郷)の名物イベントに、毎年行われるクリスマスツリー・イルミネーションがあります。11月末からクリスマスまでの期間、日本でも最大クラスの自生の樅(もみ)の木に灯されるイルミネーションを見に、多くの方が訪れるそうです。ダム見学ができない場合でも、こうしたイベントを通して、ダムを身近に感じる機会にしてみてはいかがでしょうか。

観光放流や薪・流木の配布の告知等、宮ヶ瀬ダムの情報はこちら
http://www.ktr.mlit.go.jp/sagami/

インクラインやロードトレイン「愛ちゃん号」はこちらで調べられます
http://www.miyagase.or.jp/vehicle/


※今回の見学や写真撮影は、取材のために特別な許可をいただいています。
※観光放流等に関する見学の詳細や注意事項等、詳しくは上記ウェブサイトでご確認ください。


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